シャクヤク (ボタン科)

シャクヤクは中国原産の多年草で、古くから栽培され、多くの品種が生み出された。
姿が美しく、しなやかという意味の婥約(しゃくやく)から名付けられたとも言われ、ボタンの「百花の王」に対して、「花の宰相」とも呼ばれていた。
日本へはボタンと同じ奈良時代に薬草として渡来したが、日本でも観賞用に多くの品種が生まれた。
漢方では、根を芍薬(シャクヤク)といい、「瘀血(おけつ)」の治療や痙攣を止めて痛みを止めるなどの働きがあり、非常に多くの処方に用いられている。
例えば、最近こむら返りの薬として有名になった芍薬甘草湯、冷え症によく用いられる当帰芍薬散、月経を安定させる四物湯、ストレス・緊張を緩める四逆散など、幅広い処方に応用されている。